俳句入門・俳句の名作・俳句季語

初春の俳句 『春一番』五句



春一番武蔵野の池波あげて  秋櫻子



春一番黒猫縁に耳立てて  正風子



雀らも春一番にのりて速し  爽雨



春一番言霊のごと駆け抜けし  裕



春一番山を過ぎゆく山の音  滋章


初春の俳句 『雛祭』五句



酔さめやほのかに見ゆる雛の顔  暁台



雛の前今誰もいず座り見る  立子



折りあげて一つは淋し紙雛  鷹女



飾られて眠らぬ雛となり給ふ  平之助



毬ころげゆきて女雛を押し倒す  かけい






初春の俳句 『梅』五句



梅一輪一輪ほどの暖かさ  嵐雪



心には咲き満つ日あり梅三分  汀子



勇気こそ地の塩なれや梅真白  草田男



暮れそめてにはかに暮れぬ梅林  草城



煙草火の吸へば明るく梅夕べ  たかし



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冬の俳句 『春近し』五句



人の子やはるを迎にゆくといふ  乙二



春近し空に影ある水の色  百関



なにげなく春のちかづく橋渡る  蒼石



煎豆をほつほつ噛めば春ちかし  楸邨



春へもう一息の田を登校児  時彦



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冬の俳句 『氷』五句



厚氷ぴしりと軋みたちあがる  楸邨



砂肝をかりりと美濃や厚氷  湘子



凍らんとするしづけさを星流れ  朱鳥



氷上にかくも照る星あひふれず  水巴



水よりも氷の月はうるみけり  鬼貫



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冬の俳句 『大根』五句



大根に実の入る旅の寒さかな  園女



流れ行く大根の葉の早さかな  虚子



煮大根を煮かへす孤独地獄なれ  万太郎



大根を刻む刃物の音つづく  誓子



大根を抱き碧空を見てゆけり  龍太



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冬の俳句 『節分』五句



節分の何げなき雪ふりにけり  万太郎



節分の人影大きく夜の障子  みどり女



送らるる節分の夜のよき車  立子



節分や田へ出て靄のあそびをり  澄雄



節分や流転重ねし豆の数  美津夫



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冬の俳句 『山茶花(さざんか)』五句



山茶花のここを書斎と定めたり  子規



山茶花のみだれやうすき天の川  水巴



山茶花の暮れゆきすでに月夜となる 秋櫻子



山茶花の散るにまかせて晴れ渡り  龍男



山茶花やいまの日暮の旅に似て  湘子



冬の俳句 『雪』五句


いくたびも雪の深さを尋ねけり  子規



雪はげし抱かれて息のつまりしこと  多佳子



ゆふぐれと雪あかりとが本の上  梵



夕鶴の群れ啼く声に又も雪  占魚



かぎりなく降る雪や何をもたらすや  三鬼




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冬の俳句 『新年の俳句』五句




門松や佐渡と越後は筋向かひ  許六



澱みなく一日終わる鏡餅  直人



初便り皆生きていてくれしかな  友二



一波に消ゆる書初め砂浜に  三鬼




冬の俳句 『新年の俳句』五句



渚ゆくわが足跡に初日かげ  年尾


初空や鳥はよし野のかたへ行く  千代女


初詣ことしのひかり射さぬ間を  貞


初夢に大いなる毬を貰ひけり  みどり女




冬の俳句 『枯野(かれの)』五句



旅に病で夢は枯野をかけ巡る  芭蕉


遠山に日の当りたる枯野かな  虚子


八方に山のしかかる枯野かな  たかし


枯野ゆく一点となりつくすまで  七菜子


吾が影の吹かれて長き枯野かな  漱石





冬の俳句 『凩(こがらし)』五句



凩の果ては有りけり海の音  言水

凩や海に夕日を吹き落とす  漱石

海に出て木枯帰るところなし  誓子

凩がうばふひとりの夜の影  八束

こがらしの冬さながらの女かな  時彦


冬の俳句 『北風』五句



北風や石を敷きたるロシア町  虚子

北風や浪に隠るゝ佐渡島  月斗

北風にあらがふことを敢へてせじ  風生

耳傾く北風より遠き物音に  林火

北風やイエスの言葉つきまとふ  朱鳥



冬の俳句 五句



ロシア映画みてきて冬のにんじん太し  太穂

ゆびさして寒星一つづつ生かす  五千石

降る雪に胸飾られて捕へらる  不死男

水枕ガバリと寒い海がある  三鬼

しんしんと寒さがたのし歩みゆく  立子


冬の俳句 五句


冬菊のまとふはおのがひかりのみ  秋櫻子

木がらしや目刺にのこる海のいろ  龍之介

いくたびも雪の深さを尋ねけり   子規

手毬唄かなしきことをうつくしく  虚子

咳をしても一人   放哉


冬の俳句 五句



晩鐘や町に雪来ることたしか  節子


雪はげし抱かれて息のつまりしこと  多佳子


ラグビーの頬傷ほてる海見ては  修司


冬蜂の死にどころなく歩きけり  鬼城


冬の水一枝影も欺かず  草田男



秋の俳句「秋深し」


秋深き隣は何をする人ぞ  芭蕉


彼一語我一語秋深みかも  虚子


郵便を待ちつつ秋の深くなる  みどり女


深秋や身にふるるもの皆いのち  コウ子


過ぎし日をたたみて心秋深し  汀子






秋の俳句「紅葉」(もみじ、こうよう)


この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉  鷹女

障子しめて四方の紅葉を感じをり  立子

紅葉の色きはまりて風を絶つ  宋淵

全山の紅葉に耐へし薄まぶた  登四郎

夕紅葉とみに水音澄みわたり  花蓑




俳句入門・俳句の名作・俳句季語


秋の俳句「薄」(すすき:芒)


をりとりてはらりとおもきすすきかな 蛇笏



芒の穂ばかりに夕日のこりけり  万太郎



芒野や固くしめたる瓶の口  鵬来



常よりも今日の夕日の芒かな  迷堂



何もかも失せて薄の中の路  草田男






  • 最終更新:2012-03-10 11:47:27

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